沿道店舗の混雑によって前面道路に入店待ち車列が形成されると,様々な主体で損失が発生しうるが,その実態は明らかでない.本研究はこの実態を捉える第一歩として,ガソリンスタンドへの来店車両が旅行時間に与える影響の把握を目的とする.そのために,石川県白山市にある店舗の来店数と店内映像データ,店舗前面道路の断面交通量データおよび現地観測で取得した車両速度データを用いて分析を行った.まず,実データから入店待ち車列の発生状況を確認した.そして,この事象は短期的な来店集中で発生するため予測が難しいことがわかった.また,店舗利用者・非利用者の双方の損失時間を旅行時間の増分として推計した.ただし,対象とした店舗においては損失時間は小さな値にとどまった.