毎年日本で数十万人が罹患する心筋梗塞や脳梗塞に「ネクローシス」型の細胞死が深く関わっていることがわかってきた。理化学研究所の袖岡幹子主任研究員は、化学や生物学、物理学などを融合させ、細胞の壊死の仕組みに迫る数々の斬新な手法を見つけ出した。解明不可能と考えられてきたネクローシスの制御法を編み出すことで治療薬の開発に役立てることを目指している。卓越した能力と先取性のある若手研究リーダーを選出し、独創性に富んだ研究をバックアップするJSTのERATOで、数少ない女性リーダーとして活躍する袖岡さんにその最新成果を聞いた。