抄録
けがや病気などで失われた骨を補う「人工骨」の利用が年々伸びている。さまざまな製品がシェアを争う中、スポンジのように骨の欠損部に詰めたり、メスでも切ったりできる画期的な製品が昨年12月に登場した。骨の組織と同じ成分や構造で、周囲の骨にすぐなじむこの人工骨は、JST委託開発制度を活用し、東京工業大学の田中順三教授らの研究成果をHOYA Technosurgical社が10年の歳月をかけて実用化した。現場のニーズにも応える高機能な製品が開発されたことで、再生医療での人工骨の普及と市場の拡大が期待される。