【目的】在留外国人の非自発的入院の現状と課題を整理し,改善に向けた示唆を提示した.【方法】官庁統計と先行研究を概観し,応急入院から医療保護入院へ切り替えた1症例を提示した.【結果】主要課題は,①言語,②連絡体制と法的手続,③費用,④退院後の見通しの四点に整理された.とくに初動72時間では,通訳確保の遅れに伴う身元確認・家族連絡の難航,首長同意を含む手続の遅延,費用負担の不確実性,退院後資源の不足への懸念が優先的に対応すべき論点として認められた.【結論】早急な抜本的解決は困難なため,当面は,①通訳アクセスの即応手段(遠隔通訳や補助的な機械通訳・翻訳を含む)の確保,②自治体別の簡潔な手順書の共有を優先して運用改善を図る.これにより,限られた資源でも再現性の高い運用が可能となり,現行の「精神障害にも対応した地域包括ケア」の枠組みへの統合が期待できる.