ウイルス
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特集:ウイルス研究の最前線
ザンビア,インドネシアにおける野生動物が保有するDNAウイルスの探索
澤 洋文佐々木 道仁大場 靖子
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2017 年 67 巻 2 号 p. 151-160

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抄録
 人獣共通感染症は自然界にその原因微生物が存在していることから,根絶することは不可能と考えられる.それ故,その発生を予測し,流行を防止する先回り戦略をとることが重要である.先回り戦略をとるために,病原微生物の起源と自然界における存続のメカニズム,伝播と侵入の経路および感染,発症と流行に関与する諸要因を明らかにする必要がある.
 我々のチームは,検査体制,医療体制が不十分であり,感染症対策の支援を必要としているザンビア,およびインドネシアにおいて,野生動物が保有するウイルスを対象とした疫学研究を推進している.本稿では,両国との共同研究により得られた研究結果の内,DNAウイルスであるオルソポックスウイルス,ポリオーマウイルス,ヘルペスウイルスを対象とした研究について得られた結果を紹介する.
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© 2017 日本ウイルス学会
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