抄録
2015年秋にわが国では、エンテロウイルスD68の検出数が増加するとともに重症の気管支喘息患者および急性弛緩性麻痺症例の多発が認められた。当時のわが国では、WHO加盟194か国中174か国で実施されているAFPサーベイランスを実施していない国であったが、2018年5月から「急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く)」が感染症法に基づく5類感染症全数把握疾患に指定され、15歳未満の急性弛緩性麻痺症例は診断後7日以内に全例を管轄の保健所に届け出ることが義務づけられた。2018年10月頃からAFPの報告数が増加し、5〜11月に98例が届けられた。就学前の幼児期の報告が多く、年齢中央値は4歳であった。