1980 年 30 巻 2 号 p. 119-124
Morbillivfrus のプラック形成による定量および中和試験のマイクロタイター化を, Vero 細胞とCMC重層法を利用して試みた.
麻疹ウイルスについては, 使用したいずれの株においでも明瞭なプラック形成がみられ, 従来のマクロ法に劣らない成績が得られた. マイグロプラック形成数とウイルス希釈との間には, 明らかに直線関係がみられ, また測定法の再現性も極めて高いことが示された. この方法により, マイクロダイリューターとトランスファープレートを用いて血清希釈中和試験を行なったところ, 従来のマクロCPE法よりは4倍高く, マクロプラック法とはほぼ同値の中和抗体価が求められた.
牛疫および犬ジステンパーウイルスのマイクロプラックは計数可能であるが, 麻疹ウイルスに比較してプラックサイズがかなり小さく, マイクロ法で得られたPFU値はマクロ法によるそれより低かったので, 重層液組成などプラック形成に関与する因子の改良の必要性が示唆された.