ウイルス
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単鎖抗体を用いたヒト免疫不全ウイルスの組み込み酵素の機能解析と遺伝子治療への応用
北村 義浩
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2000 年 50 巻 1 号 p. 11-16

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抄録
HIV integrase (IN) の機能を調べるために, INに対するマウス単クローン抗体を6クローン選択した。このうち1つの単クローン抗体 (MAb2-19) から, 単鎖抗体遺伝子を作製した。この遺伝子を用いて, 単鎖抗体 (scAb2-19) を HeLaCD4細胞内に発現させたところ, この細胞はHIV-1の新規感染に対して低いMOIでは抵抗性となった。この抵抗性は, 細胞内scAb2-19が, 感染前期過程・後期過程の両過程を阻止することによって達成された。scAb2-19のC端末にVprまたはVpr結合ペプチド (WXXFモチーフ) を融合させたところ, ウイルス粒子に効率よく取り込まれ, ウイルスの感染性をおよそ1000倍低下させた。
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© 日本ウイルス学会
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