ウイルス
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ウエストナイル熱
倉根 一郎
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2003 年 53 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
ウエストナイルウイルスはフラビウイルス科, フラビウイルス属のウイルスであり, 自然界においては鳥と蚊によって感染環が成立し維持されている. ヒトは感染蚊に吸血されることによって感染する. ヒトにおいて顕性感染は感染者の約20%であり, 多くは急性熱性疾患であるウエストナイル熱の症状を呈する. 感染者の約150人に1人において脳炎髄膜や髄膜炎を発症する. アフリカ, ヨーロッパ, 中東, 中央アジア, 西アジア, オーストラリア, 北アメリカ等広い地域に分布している. 特に米国においては, 1999年初めて患者発生が報告され, 2002年には4000人を越える患者と, 280人を越える死亡者が報告される大流行となった. ヒト用のワクチンはなく 特異的な治療法もない. 日本にとっては, 今後輸入感染症としての注意が必要であるし, またウイルスの日本国内への侵入についてもそれに備えた対策を確立しておくべき感染症である.
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