ウイルス
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リフトバレー熱ウイルス・中和抗体の試験管内での結合について
鈴木 孜
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1959 年 9 巻 5 号 p. 500-506

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抄録

1) リフトバレー熱ウイルスをウサギ抗血清に加え, 約60,000g, 60分間遠心して得られた上清の中和力価はもとの血清のそれよりも低かつた. すなわち, 試験管内でウイルスを以て中和抗体を吸収することができた.
2) ウイルスと, それを中和するのに充分な量の抗血清とを混合し直ちに稀釈するとウイルスの一部分は活性を示すが, ウイルスの90%以上は不活性となつていた. 混合液を5℃に24時間おいた後に稀釈するとウイルスの99%が不活性となつていた.
3) ウイルスと抗血清とを混合し, 直ちにマウス脳内に注射すると明瞭には中和が起こらないものを5℃に24時間おいてから注射すると中和が起こつた.
4) 以上の諸成績から, リフトバレー熱ウイルスと中和抗体とは試験管内で結合すると考えられる.

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