抄録
心筋梗塞・虚血再灌流における心電図学的な研究をするために,冠動脈の閉寒時間や閉塞血管を選択し,心筋傷害の程度や梗塞領域を調節できる動物モデルが必要である。本研究では,ウサギを用いて非開胸的手法を開発するために,ウサギ用のAmplatz-typeの心カテーテルを作製した。ガイドワイヤーの先端にステンレスビーズを取り付け,ビーズを右または左冠動脈内に留置・閉塞した後,再灌流を行う手法について検討した。心電図学的な検討は左冠動脈内における閉塞・再灌流について行い,特徴的なQTの延長,STの上昇,T波の増高が観察された。「ビーズ閉塞・再灌流法」はウサギを用いた心筋虚血・梗塞モデルとして有用な方法である。