ブタの心形態と心電図波形の特徴

抄録

ブタを実験動物として開発・改良するための基礎資料集積の一環として,胸腔内における心臓の解剖学的な位置および心電図学的な検討を加えた。
成長過程において,心電図波形の各棘波の発現状態には変化が認められなかったが,波形から求めた各棘波のintervalおよびdurationは成長に伴って延長し,4ケ月齢から安定した。
解剖学的な心臓縦軸の相対的な位置は,年齢にかかわらず一定な位置関係である。心電図波形からみても,波形の基本的なパターンは変らず,各恒数間には高い相関々係が認められる。このことから,心臓は胸腟内において,心臓縦軸や左右両心室の位置関係がほとんど変ることなく成長するものと考える。