動物の循環器
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動脈管開存矯正術時の著明な血圧上昇に対する血圧の降下処置
近藤 元紀鷲巣 誠木下 現小林 圀仁三阪 和徳林 太郎織間 博光本好 茂一
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1991 年 24 巻 24 号 p. 20-26

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抄録
1) PDAの矯正術時,動脈管の仮結紮によって著明に動脈圧が上昇した症例に遭遇した。この症例では著しい高血圧のために,徐脈と心室性不整脈が発現した。2) この症例に対して血管拡張剤であるアセプロマジンと利尿剤であるフロセミドを用いて血圧の降下処置を行った。再び動脈管を仮結紮した直後は著しい高血圧を示したが,約10分後に動脈圧は正常域に復帰した。また徐脈,および心室性不整脈は認められなかった。3)以上のことから,動脈管の結紮時に著明な高血圧を示す症例では,薬理学的な補助療法を併用することにより,より安全にPDAの手術を実施できると思われる。
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© 日本獣医循環器学会
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