動物の循環器
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犬の慢性心不全に対するTDK-36(木防已湯)の臨床応用
小山 秀一竹村 直行本好 茂一
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1996 年 29 巻 2 号 p. 59-78

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抄録
犬の慢性心不全(僧帽弁閉鎖不全症,フィラリア症および拡張型心筋症)に対するTKD-36(木防已湯)の有効性,安全性,有用性および至適投与量を検討するため多施設共同の臨床試験を実施した。TKD-36(75,150および300mg/kg/day)とプラセは,1日2回に分け,4週間経口投与した。その結果,TKD-36の150および300mg/kg/dayは,慢性心不全と診断された犬の臨床所見,身体所見,心不全重症度および胸部X線像をプラセボ群と比較して有意に改善あるいは軽快させたが,75mg/kg/day群では有意な差が認められなかった。安全度については,いずれの投与群においても重篤な副作用を認めず,TKD-36の高い安全性が確認された。
また,TKD-36各投与群間の改善度,安全度および有用度を比較した結果,TKD-36の至適投与量は150ないし300mg/kg/dayと考えられた。
以上の結果から,TKD-36は犬の慢性心不全に対して有効かつ安全な薬剤であると判断された。
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