抄録
障害児教育と職業リハビリテーションは一連の流れをもったふたつのサービスである。これらのサービスをつなげる鍵概念は移行であり、いまや移行そのものがひとつのサービスと変容している。この移行サービスは近年米国において急速に展開されており、そのシステム、サービス実践、人材育成等の分野における先駆的な取り組みには学ぶべき点が多い。そこで本稿では米国における現状を概説し、我が国の移行サービスに関する今後の課題を検討することにした。具体的には、米国における移行の概念とシステム、移行に関する個別計画の策定、移行サービスおける専門職・従事者の役割について紹介し、我が国における「移行コーディネーター」の養成及び研修の方法について提案する。