職業リハビリテーション
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知的障害者に対する提案制度の適用例
青木 律子
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2005 年 18 巻 1 号 p. 34-40

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抄録

特例子会社3社における提案制度の実践例から、知的障害者も適切な仕組みや支援、機会があれば、提案を通じて自主性や創造性を発揮し、意欲や生産性の向上に結びつけられることが示された。3社の共通点としては、次の5点があげられる。第一に、知的障害者も自己の担当職務について創意工夫や要望などを持っているとして、提案制度を運用している。第二に、大きな変革に結びつかない小さなアイデアも提案することを奨励している。第三に、社員の提案に対して何らかの報酬があり、それが社員の動機付けにつながっている。第四に、社員が提案する際には、必要に応じて上司等による支援がある。第五に、3社とも親会社の提案制度を基本としており、知的障害者が提案しやすいような工夫を加えて運用している。なお課題としては、提案制度導入後の社員の意欲をいかに測定し、制度の運用並びに生産性の向上につなげていくか、という点があげられる。

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© 日本職業リハビリテーション学会
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