職業リハビリテーション
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盲学校職業課程に在籍する視覚障害者の適応状況と関連要因に関する調査
柏倉 秀克
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2005 年 19 巻 1 号 p. 50-57

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抄録
盲学校における中途視覚障害者の占める割合は高まる傾向にあり、職業リハビリテーションに対するニーズも顕著となっている。職業課程在籍生徒を対象に入学に至る経過、障害の状況、学校生活における適応状況を調査した結果、全国盲学校61校中56校から回答を得た。
その結果、視覚障害者を支援する環境は地域差が大きく、社会資源が不足する地域では、他資源が行うべき機能までも盲学校が対応せざるを得ない状況が判明した。また、入学前に視覚障害リハビリテーションを経験した者は平均16%に止まり、学校間で著しい差がみられた。さらに中途障害生徒の学校適応状況とリハビリテーション経験に有意な関連がみられた。
中途障害生徒の抱える問題は深刻で、受傷後の回復の遅れが入学後の不適応に結びついていた。盲学校ではその対応に苦慮している事情が浮かび上がり、他分野の専門職による支援、関連する社会資源との連携が課題として明確となった。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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