抄録
知的障害養護学校の進路指導では、「新たな職域」開拓が今日的課題である。この課題の背景は、就職率の減少である。本研究の目的は、知的障害養護学校における「新たな職域」開拓の方法を検討することである。そのために、組織化されたネットワークの取組と制度・事業の有効活用を調査した。調査対象は、全国の知的障害養護学校高等部250校である。回答数は、189校 (75.6%) であった。その結果は、以下のようである。
81.0%の学校が、組織化されたネットワークによる「新たな職域」開拓の必要性を感じていた。職場開拓に関する組織化されたネットワークがある学校は、487%であった。「新たな職域」開拓に必要な事業所支援は、ジョブコーチへの期待が非常に高かった。