抄録
琵琶湖の富栄養化を窒素やリンのデータで俯瞰することを目的として,1962年から2008年の複数の定期水質調査データを集めて統合して解析を行った。現代の月毎に得られた定期調査結果から全リンと硝酸態窒素の水平分布や季節性等を把握した上で,実測値の少ない過去の全リンや硝酸態窒素の濃度推定を行った。その結果,琵琶湖では1970年代に全リンの最大値が見られた。また,全リンの濃度変動が富栄養化の進展を示す植物プランクトンの現存量の変化などと調和的であった。湖の水質の分布や季節性を把握した上で,複数の定期調査データを注意深く比較することで,過去の長期変動を俯瞰するには支障のない程度に明示することができた。