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水環境学会誌
Vol. 36 (2013) No. 3 pp. 67-76

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http://doi.org/10.2965/jswe.36.67

原著論文

近年の環境問題の多様化を受けて,流域圏における人工水循環系においても,対象地域内に及ぼす直接的な効果のみではなく,地球規模での環境負荷排出や資源消費への影響の評価も求められる。本稿では,荒川流域圏を包含する東京都区部と埼玉県の全域における水利用システムを対象として,高度処理や再生水利用の導入を考慮したシナリオを設定し,管路を含む全ての上下水道施設について建設から運用,廃棄までのライフサイクルでの環境影響(地球温暖化,酸性化,富栄養化,鉱物資源消費量,化石資源消費量および水資源消費量)を,LCIA(ライフサイクル影響評価)によって多面的に評価した。浄水および下水処理に高度処理を追加的に導入するシナリオでは,間接的な環境影響は増加するが,それらは再生水利用による上水の一部の代替によって緩和されることが分かった。ただし,高度処理および再生水利用による直接的な取水量や水系汚濁物質の排出量の減少の一方で,再生水利用の導入による上水の代替を考慮した正味の環境影響でも,鉱物資源消費と水資源消費以外の間接的な環境影響は,現状の水利用システムが最も小さくなった。

Copyright © 2013 公益社団法人 日本水環境学会

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