水環境学会誌
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調査論文
日本内湾および琵琶湖における摂食方法別にみた魚類消化管中のマイクロプラスチックの存在実態
牛島 大志田中 周平鈴木 裕識雪岡 聖王 夢澤鍋谷 佳希藤井 滋穂高田 秀重
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2018 年 41 巻 4 号 p. 107-113

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抄録

近年, マイクロプラスチック汚染が世界中で注目を集め, 生態系への悪影響が懸念されている。マイクロプラスチックとは粒径5 mm以下のプラスチック粒子である。本研究では日本内湾5ヶ所および琵琶湖における魚7種を対象とし, その消化管中の粒径100 μm以上のマイクロプラスチックの存在実態の把握を目的とした。魚197匹中74匹から140個のマイクロプラスチックが検出され, すべての地点でその存在が確認された。魚1匹あたりから検出されたマイクロプラスチック数は平均1.89個であり, その大半がポリプロピレン (40.7%) とポリエチレン (35.0%) であった。平均粒径の中央値は543 μmであった。摂食方法別にろ過摂食魚類とろ過摂食以外の魚類に分類すると, 前者97匹中54.6%, 後者100匹中21.0%からマイクロプラスチックが検出された。摂食方法によるマイクロプラスチックの誤飲量への影響が示唆された。

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© 2018 公益社団法人 日本水環境学会
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