抄録
霞ヶ浦から分離した2種類のMicrocystisを用いて藻類培養試験法による霞ヶ浦の湖水中の制限栄養物質について検討を加えた。ろ過法 (ろ過湖水を用いる) と熱分解法 (試水を熱処理してろ過法を適用する) とについて検討を加えた。
6月~8月にかけての夏期のろ過湖水では, リンと窒素の同時添加で, Microcystisは良好な増殖を示すことからリンと窒素が同時に制限になっていたが, 他の季節ではリンと窒素を添加しても増殖が認められず, ほとんどの場合, 増殖に鉄又はEDTAを必要とした。夏期の湖水中ではキレート物質の濃度が高まり, これがMicrocystisの異常増殖に関係することが考えられた。