抄録
生活排水による水質汚濁が問題となっているが, この処理対策のひとつとして, ひも状接触材の利点を生かし, それを可動式とした処理装置で検討を行なった。
本装置は回転円板法における回転円板部の代りに, 回転するひも状接触材の帯状ベルトが用いられているため, 閉塞しにくく, 汚泥捕捉力が強く, 省エネルギー的でありまた槽の形による制限がなくなるなどの特徴を有している。
人工下水で行なった処理の適正範囲はBOD接触材面積負荷5~14g・m-2・d-1, 滞留時間4時間以上及び周辺速度0.9~1.5m・min-1であった。通常回転円板法で用いられている適正範囲と比べると, 処理装置が小型であったため, 周辺速度が遅かった。
適正範囲に設定した処理条件でのし尿浄化槽流入水及び下水路排水の処理を行ったところ, BOD除去率はいずれも90%近くあり, ほぼ満足できるものであった。