水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
水ガラスを含むカオリン懸濁液の硫酸アルミニウムによる凝集処理特性
丸山 俊朗宮根 正樹平石 博忠
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1988 年 11 巻 6 号 p. 381-389,354

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抄録
水ガラス (ケイ酸ソーダ) を含むカオリン懸濁液 (水ガラス系薬液注入工事の代表的排水) の硫酸アルミニウムによる処理特性と凝集に及ぼす溶解性または重合シリカの影響を明らかにするため, pHと初期シリカ濃度を変量として重合化とシリカコロイドの荷電量特性を調べた。得られた知見は次のようにまとめられた。
(1) 溶解性シリカ (S.SiO2) 300~1500mgSiO2・l-1の最大重合速度はpH8.5付近でおこる。 (2) S.SiO2濃度が高いほど重合化速度は速く, 重合するpH範囲が広い。 (3) 重合シリカコロイドはpH9.2~9.5で最大の負荷電量を示す。 (4) 水ガラスを含むカオリン懸濁液の凝集pHは4.5と7.0の間であり, この間の狭い至適pHはS.SiO2濃度とバンド添加量できまる。 (5)擬集可能pHでは主にモノマーが存在し, 重合シリカは凝集に重要な役割を果たしていない。 (6) S.SiO2の除去はバンド所要量と沈殿物量が多いために難しい。 (7) 実際の運転はpH6~6.5でバンド添加量を調節する方法が適切と考えられる。
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© 社団法人日本水環境学会
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