水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
環境水および生活排水中のLASの定量
野中 和代服部 幸和中本 雅雄
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1989 年 12 巻 3 号 p. 194-200,168

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抄録
環境水および生活排水を対象に, 共存物質による妨害を受けないLASの定量方法を検討し, 良好な結果を得た。
試料をSEP-PAK C18カートリッジに通水後, カートリッジを洗浄して共存物質を除去してからLASを溶出し, UV検出器および蛍光検出器を接続した高速液体クロマトグラフを用いて定量した。この前処理を行ってもなお, 共存物質によってクロマトグラム上の妨害を受ける試料は, さらにSEP-PAK・ACCELL・QMAカートリッジを用いて処理した後, 同様に定量した。本法の検出限界は, 試料水量1lの場合総LAS濃度として0.1μg・l-1であった。
また, 本法を生活排水処理施設におけるLASの処理状況の調査ならびに大阪府下の河川水および大阪湾の海水中のLAS濃度の調査に適用した。河川水中の濃度は19~1,400μg・l-1, 海水中の濃度は検出限界以下~7.2μg・l-1の範囲であった。
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© 社団法人日本水環境学会
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