淀川の水質を評価するには, 3河川 (宇治川, 木津川, 桂川) の合流によって起こる横方向拡散を考慮しなければならない。そこで我々は数学モデルを立て, シミュレーションを行った。
このモデルでは変数として, 河幅の代わりに流量を用いている。その結果, 拡散係数は
Kyuh2の形で書き直される。高浜地点での水理データを用いると,
Kyは0.1と推定された。
淀川の上流部では6市町を計画区域とする「木津川左岸流域下水道」が建設中であり, 宇治川左岸より放流することになっている。我々は上記のモデルを適用し, 4つの浄水場での水質の将来予測を行ったが, 最上流の楠葉 (大阪市) が一番大きな影響を受けることがわかった。さらに, 流域下水道, 下水道計画のない場合, 小規模処理の3つの場合について, 将来水質を比較したところ, 小規模処理の場合が影響は最も小さかった。
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