水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
三相流動層によるアンモニア性窒素の硝化
平田 彰保坂 幸尚バンバン・トリオノ バスキ前田 和哉
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1989 年 12 巻 9 号 p. 575-581,565

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抄録

三相流動層型生物処理法によるアンモニア性窒素の硝化において, 硝化特性を評価し, 次の結論を得た。
(1) 三相流動層によるアンモニア性窒素の硝化の場合でも, 著者らがすでに提出した生物処理特性の評価法で, 同様に整理が可能であることがわかった。
(2) 有機物が共存していない場合, 本実験の範囲内では, アンモニア性窒素の硝化は1次反応として取り扱える。すなわち, 硝化速度は, 生物膜表面積とアンモニア性窒素の入口濃度・出口濃度の対数平均値との積に比例し, その比例定数は, k=0.17m・d-1 (30℃の場合) となった。また, 活性炭BACとCB濾材において, 硝化に及ぼす担体の種類の影響は認められなかった。
(3) 三相流動層内でのアンモニア性窒素濃度の減少は, 共存する有機物 (フェノールあるいはグルコース) の影響を受け, アンモニア性窒素が減少する速度は有機物が共存していない場合の硝化速度に比べて著しく低下した。

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© 社団法人日本水環境学会
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