水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
連続流れコロイド滴定法によるカチオン性高分子凝集剤の定量
五十嵐 千秋
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1991 年 14 巻 1 号 p. 31-37,29

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抄録
コロイド滴定法を連続流れ分析化してカチオン性有機高分子凝集剤を定量するために,二波長測光セルを用いて滴定終点を設定する方法を検討した。溶存塩類および濁度等の影響を調査し,連続流れ分析計を試作して以下の知見を得た。
1)各測定波長における透過光出力の差を用いてトルイジンブル指示薬の変色反応を検知し,滴定剤の添加直前の透過光出力の差を定数倍した値を滴定終点とすれば,滴定終点をあらかじめ設定することができる。
2)該定数を0.8として,指示薬の変色反応が始まる領域に滴定終点を定義すると,イオン強度が約0.04以下の試料は無希釈で測定可能である。
3)本法に及ぼす濁度の影響は,約150度以下の試料では無視できる。
4)試作連続流れ分析計は,0~0.1meq・l-1の範囲で応答性および精度が良好である。
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© 社団法人日本水環境学会
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