水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
植物プランクトン個体群の分類階級別情報エントロピー
田井 慎吾松重 一夫
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1985 年 8 巻 7 号 p. 435-442

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抄録
湖沼の植物プランクトン個体群の観測データを短時間に簡単に得るとともに, 得られたデータから情報エントロピーを求め, これを多様性の, さらには富栄養化の評価指標とするために分類階級別情報エントロピーを提案し, 植物プランクトンの観測データを用いて各階級の情報デントロピーの関係について検討を加えた。得られた結果を要約すると次のようになる。
(1) 植物プランクトン個体群の分類階級別情報エントロピーは相加法則によって最上位の階級 (植物プランクトンでは綱) の情報エントロピーと着目する階級およびそれより上位の階級の情報エントロピーの成分との和で表わされる。
(2) 植物プランクトン個体群の種の階級での情報エントロピーとより上位の階級の情報エントロピーとの間には高い相関がみられる。とくに種と属の階級の情報エントロピーの間には高い相関があり, 多様性の評価という点からは属の階級での情報エントロピーで十分である。
(3) 植物プランクトン個体群の属の階級での分類であればわが国全体で300属程度であり, 一つの湖ではその十分の一程度である。さらに属の階級では植物プランクトンの形態がかなり異るため比較的容易に分類, 観測できる。
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© 社団法人日本水環境学会
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