水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
藻類に対する成長阻害試験に関する基礎的検討
川島 博之岡田 光正鈴木 基之
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1986 年 9 巻 1 号 p. 25-29

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抄録
近年藻類を用いて排水や化学物質が生態系に及ぼす影響を評価しようという研究が, 多くなされている。これは一般には, 回分式実験系において, 藻類に対する成長阻害試験として行われているが, 成長阻害を判定するときに, 初期の対数増殖期の比増殖速度を用いるか, 最大増殖量を用いるべきかについては, ほとんど議論されていない。本研究は, コークス炉排水を例に3種の藻類を用い, 初期の増殖速度と最大増殖量の関係について, 初めて考察を加えたものであるが, 増殖速度と最大増殖量の間には一定の関係を見い出すことが出来なかった。
藻類を用いて各種排水が生態系に及ぼす影響を評価しようとする場合, この点に充分留意して研究を進めるべきであろう。
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© 社団法人日本水環境学会
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