川崎港の海水から集積培養法を用いて単離した
Pseudomonas sp.において, n-テトラデカンの微生物分解を改善するために, 窒素源, リン酸塩からなる栄養塩の濃度および種類を検討した。その結果, 冷暗所に保存した海水にNH
4NO
31000mg/l, K
3PO
4100mg/l, 酵母エキス10mg/lを加えた培地がn-テトラデカンを最もよく微生物分解した。
NH
4NO
3/K
3PO
4比を10に維持したとき, 油の分解速度r
m [mg-oil l
-1h
-1] と栄養塩濃度S [mg-NH
4NO
3l
-1] との相関は, r
m= (r
m)
max {S/ (K
m+S)} によく一致した。この油の初期添加油量を153mg/lとしたとき (r
m)
max=4.9 [mg-oil l
-1h
-1] でありKm=94 [mg-NH
4NO
3l
-1] であった。さらに, この改善された培地によって
Pseudomonas sp.の増殖速度が高められ, その結果乳化剤の生産が増加されるため油分解が速くなると推定された。
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