水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
個別家庭用生活雑排水処理装置の実用性能 (その1) 排水量と水質
浦野 紘平井上 充井口 潔新出 雄彦鈴木 賢司
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1986 年 9 巻 7 号 p. 429-436

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抄録

家庭雑排水は公共用水域の汚濁に大きな負担を与えている。本研究は, 下水道の普及しにくい地域の個別家庭の雑排水を処理するために開発した小型装置を9家庭に設置し, 約18か月に亘って実用試験を行った結果をまとめたものである。装置は容量約200lの予備処理槽と多孔質人工石を充填した同じ大きさの浸漬ろ床槽からなり, 炊事, 洗濯, 風呂等からの全雑排水を処理した。家庭及び時間によって, 排水量及び流入水濃度は著しく異なったにもかかわらず, 処理水質の出現確率50%値は, BOD13, COD15, SS17, TOC13, MBAS1.1mg/l, 標準偏差は, BOD20, COD11, SS24, TOC8, MBAS3.8mg/lとなり, 若干の改良点はあったものの, 本装置によってかなり良い処理ができることが確められた。また, BODとCOD及びTOCとの間には明確な相関が認められたが, BODとSSとの間には相関は認められなかった。

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© 社団法人日本水環境学会
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