一般廃棄物を直接埋め立てている最終処分場において, 約23年前の埋立廃棄物と約1.5年前の埋立廃棄物の性状を調べ, バイオガス化処理に適した廃棄物 (バイオガス化適合物) のバイオガス発生特性を回分実験で検討した。
埋立廃棄物の湿重量構成比は, その他 (分類しきれなかった残渣) が約37~49%と最も高く, その他, プラスチックおよび紙で全体の約80~90%を占めていた。プラスチックは微生物分解が難しいと判断されること, その他と紙の炭素含有率が約5~14%であったことから, その他と紙をバイオガス化適合物とした。
その他と紙のみがバイオガスを発生すると仮定し, 回分実験から得られたその他と紙のメタン発生量と埋立廃棄物の湿重量構成比から推定した埋立廃棄物のバイオガス化処理によるメタン発生量は, 家畜ふん尿バイオガス化施設でのメタン発生量を十分超える値であり, 一般廃棄物を直接埋め立てた最終処分場の再生にあたって, 埋立廃棄物のバイオガス化処理の適用可能性が示された。