廃棄物学会論文誌
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論文
LCAによるRDF発電事業の有効性に関する評価
―石川県北部地域でのケーススタディ―
山成 素子島田 荘平
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2007 年 18 巻 1 号 p. 37-48

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抄録
わが国では, 一般廃棄物は焼却処理をし, 発電をするなどのサーマルリサイクルが主流となっており, 廃棄物発電の導入が積極的に進められているが, 広域処理と高効率のエネルギー回収を目指したRDF (固形化燃料) による発電方式が一つの手段として検討されている。そこで本研究では, LCA的な観点を用いてRDF発電事業の有効性を, エネルギー消費量, 環境負荷排出量 (CO2, NOX, SOX), コストの面から評価した。石川県北部を対象地域とし, 現在稼働中のRDF発電事業を従来焼却 (焼却のみ) や広域処理 (焼却・発電), 分散処理 (焼却・発電) と比較した結果, 以下のことが明らかになった。(1) 発電を伴う焼却処理方式では十分に効果がある, (2) RDFの利用により収集コストの削減が見込める, (3) RDF発電事業はCO2削減に大いに役立つ。
したがって可燃性一般廃棄物を処理する際に, RDFの輸送性が発揮される人口密度が小さい地域はRDFを利用し, 広範囲で大規模に焼却・発電を行い, 発電効率を上昇させることが, 最も環境負荷の少ないシステムを構築する際に効果的である。
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© 2007 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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