抄録
温泉汚泥を80℃で馴化することにより得た超高温嫌気性汚泥を用いて, 超高温嫌気性可溶化槽と高温メタン発酵槽の二槽からなるメタン発酵装置を作製し, 人口生ごみを原料として連続評価試験を行った。超高温嫌気性可溶化槽を用いた場合, 高温メタン発酵槽単独での試験結果よりもメタン転換率が4.3%向上し, さらに本条件下ではメタン発酵の阻害物質であるアンモニアを容易に回収できることが示された。超高温嫌気可溶化槽および高温メタン発酵槽の可溶化酵素粗抽出液を用いて生ごみ可溶化能力を比較したところ, 超高温嫌気可溶化槽の方が生ごみの可溶化能力は高かった。両槽の菌相をPCR-DGGE法で比較したところ, 超高温嫌気可溶化槽からは通常の高温メタン発酵では見られない細菌の存在が確認された。