抄録
近年普及しつつある業務用や家庭用の生ごみ処理機器の多くは材料を好気性に保つための攪拌機能を備えている。その多くは間欠的攪拌方式を採用しているが, 過度の攪拌でエネルギーを浪費することなく, 材料が酸素不足になることもない, 適正な攪拌頻度について合理的に決められているとはいえないのが現状である。そこで, 攪拌停止中に静置状態に置かれたコンポスト材料中の酸素濃度の時間変化をシミュレーションによって把握する方法を提案することとした。静置コンポスト中の酸素分布は材料表面からの拡散による酸素供給と材料自身の酸素消費によって決まると考え, シミュレーションプログラムを構築した。カラム実験を行って得たデータとシミュレーション結果を比較することで, シミュレーションの妥当性を検証した。また, この方法を用いて適正な攪拌頻度を検討する方法について例を示した。