廃棄物学会論文誌
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論文
溶媒洗浄による溶融飛灰中塩素の除去特性に関する研究
岡田 敬志松藤 敏彦東條 安匡
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2007 年 18 巻 6 号 p. 357-366

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抄録

溶融処理によって発生する溶融飛灰はZn, Pbを高濃度に含むことから資源として価値がある。本研究は, 精錬施設において規制が厳しいClに注目し, 溶媒で洗浄除去する方法について検討を行った。用いた洗浄溶媒は, 蒸留水, Na2CO3溶液, Na2SO4溶液, 蒸留水にCO2を通気したものの4種類であり, 最適の濃度, ガス流量, 回数, 温度, 時間を決定したのち, 23種類の溶融飛灰を各洗浄溶媒で洗浄し, それぞれの洗浄残渣中のCl量を比較した。
Na2CO3溶液はフリーデル氏塩, Zn, PbのCl化合物を溶解することができるため, 最もCl除去に効果的であった。Na2CO3洗浄により残留する難溶解性Clは, 溶融飛灰中のSi量との相関が見られた。Na2CO3洗浄後の残渣はCl含有量がISP精錬の基準値0.2%を満足し, Znの品位も40%以上とISP精錬あるいは亜鉛精錬の要求品位を満たしていた。さらにNa2CO3溶液は繰り返し利用することが可能であり, 薬剤コストを低減できる。

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© 2007 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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