廃棄物学会論文誌
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論文
北九州エコタウンにおけるマテリアルフロー調査と分析
乙間 末廣松本 亨坂口 寿志
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2007 年 18 巻 6 号 p. 410-416

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抄録

本研究では北九州エコタウン事業を総合評価するための前段階として, エコタウンに搬入される物質量, エコタウン内での取引量, エコタウンから搬出される物質量を詳細に調査し, マテリアルフロー分析を実施した。搬入された物質の多くはエコタウン内で再資源化されているが, 一部はエコタウンで処理されたのち外部の企業に送られそこで資源として再生されているものもある。外部での再資源化も含めた物質回収による再資源化率は74%で, 熱回収を含むと再資源化率は94%となる。うちエコタウン内での再資源化率はそれぞれ65%, 75%である。再資源化率は, 金属類, 無機物類, プラスチック類, バイオマス類の順で大きい。エコタウン全体として, 搬入物質の24%が有価物であるが搬出時には3倍弱の66%に増加し, エコタウンを出た後さらなる処理・処分を必要とする廃棄物は76%から22%へと減少している。エコタウン内には多くの環境関連企業が立地しているが, 企業間の相互連携はいまだ十分ではなく, 企業集積のメリットを活かすことが今後の課題である。

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© 2007 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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