抄録
これまでにフロン破壊処理の十分な実績のあるロータリーキルン式産業廃棄物焼却施設において, 廃棄物混焼法方式によるハロン1301の破壊処理実験を行い, ハロン導入方法の確立と分解効率等の実証データの取得を行った。その結果, 湯浴や恒温室などの設備がなくても, ボンベを上下逆に設置して少量の散水を行うだけでハロン1301を安定的にボンベから取り出せること, ロータリーキルンへのハロンの導入方法によって分解効率が低くなる可能性があることがわかった。これらをふまえて, ハロンを火炎より手前に導入し, 空気や廃棄物中の炭化水素と十分に混合してから火炎へ接触させることで, ハロン破壊処理ガイドラインにある分解効率, 副生成物, 有害物質等排出の要件を満たした確実・安全なハロン1301の破壊処理が可能であることを実証した。