抄録
最終埋立処分場浸出水中のダイオキシン類を分解することを目的とし, AOP法 (Advanced Oxidation Process) の一種であるO3/H2O2処理およびUV/O3/H2O2処理実験を行い, 処理特性の比較を行った。総ダイオキシン類量の処理結果は, 原水が6, 500 [pg/1] に対してO3/H2O2処理水が3, 500 [pg/1] , UV/O3/H2O2処理水が1, 900 [pg/1] であり, ダイオキシン類はこれらによって分解可能であることが明らかとなった。また, 両処理法における各ダイオキシン類同族体の除去量を比較したところ, 低塩素化物の分解性能はほぼ同等であったが, 高塩素化物の分解性能はUV/O3/H2O2処理の方が高いことが認められた。原水のTEQの内訳は四~六塩素化物の合計で全体の91%であり, 高塩素化物由来のTEQは僅かであったことより, 総ダイオキシン類量の処理には高塩素化物の分解性能がより高いUV/O3/H2O2処理がより適しているが, 実際の毒性の高さを示すTEQの処理においてはO3/H2O2処理でも可能と推察された。