1999 年 10 巻 5 号 p. 267-275
川崎市のS社が廃食油から製造した「リサイクル石けん」のライフサイクルにおけるエネルギー消費量 (LEC) および二酸化炭素発生量 (LCE) を次の3つの廃食油処理法と比較した。 (A) 下水へ直接放流 (B) 油凝固剤による処理をした可燃ごみ (C) 新聞紙に吸収させた可燃ごみ。インベントリー分析によって推定した「リサイクル石けん」の製造に伴うエネルギー消費量および二酸化炭素発生量は市販の石けん類についての産業連関表からの推定値よりも大きかった。川崎市の下水処理およびごみ処理についてのデータを用いて, 1kgの「リサイクル石けん」およびそれに相当する廃食油の処理によるLECおよびLCEを次のように推定した。処理法/MJ/kg=リサイクル石けん/13/1.8; A/9.8/2.3; B/0.7/2.2; C (0%新聞紙リサイクル) /一1.7/2.0; C (100%新聞紙リサイクル) /8.2/6.2。