抄録
循環型社会を実現するためには, 単なるごみの資源化の拡大だけでなく, ごみの排出抑制を一層進めることが必要である。このような観点からごみ排出者である住民を対象として, ごみ減量・資源化に向けた「意識啓発事業」が多くの自治体で行われている。意識啓発事業は, パンフレット等による情報提供が一般的であるが, これらの情報媒体を活用しつつ, 自治体から住民へ, 政策意図を強く反映した働き掛けが行われている。このような情報を伴う働き掛けが一般家庭のごみ量に与える影響について明らかにするため, 家庭ごみ計量調査および働き掛けに関する実験を行った。その結果, ごみ排出者に対して情報提供を伴う働き掛けを行うと, 幅広いごみ組成に対する排出抑制として現れ, 4ヶ月以上経過しても, ごみ減量効果が持続することを確認した。