廃棄物学会論文誌
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論文
覆土膜構造を有する廃棄物埋立地の安定化に関する研究
堀 直子島岡 隆行宮脇 健太郎崎田 省吾花嶋 正孝
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2004 年 15 巻 6 号 p. 500-510

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抄録
近年, 日本では新規の埋立用地の確保が困難であり, 埋立地の延命化を目的に, 覆土容積を低減させるための覆土代替材の開発が行われている。本研究では, 覆土材が埋立廃棄物の安定化に与える影響を把握するため, 埋立廃棄物の質変化および埋立廃棄物層からの浸出水の流出特性について着目した。本研究では, 一般的な土壌による覆土, または古紙を有効利用した覆土代替材を施工した二次元大型埋立模型槽を用いて長期実験を行った。
土壌による覆土を施工した場合は埋立廃棄物層内で水分移動が水平方向に偏り, 可溶性汚濁成分の洗い出しが遅れる部分が生じ, また有機汚濁成分の分解に必要な酸素の供給が十分でないことが明らかとなった。このため, 廃棄物安定化の遅延の可能性が示唆された。また, 覆土層厚が土壌の場合に比べて薄い古紙覆土代替材は, 透水性に優れ, 廃棄物安定化を促進する役割を果たすことが確認された。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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