廃木材の有効利用の観点から, 木炭を製造し床下などの調湿材としての利用が進められている。しかし, 木炭の吸放湿特性を評価する統一的な方法が確立されておらず, 製造された木炭の性能比較を行う, 木炭の製造方法を開発するなど, 様々な場面で課題となっている。
本研究では, 日本工業規格の「調湿建材の吸放湿特性試験方法」を参考に木炭の吸放湿特性の評価方法を検討し, 同様の測定条件で単位重量あたりの吸湿量, 放湿量を測定することで木炭の吸放湿特性を評価できることを明らかにした。
廃木材を原料に製造した木炭の吸放湿特性を評価し, 従来の木炭と同等の性能を有することを明らかにした。木炭の吸放湿特性は, 炭化温度の影響を受け, 650~920℃の炭化温度の範囲内では温度が高くなるほど吸湿量と放湿量とも大きくなる傾向が見られた。木炭の吸放湿特性に及ぼす炭化時間や比表面積の顕著な影響については, 今回の炭化条件内では見られなかった。