2006 年 17 巻 3 号 p. 219-229
一般廃棄物処理システムは, 発生する廃棄物量を適正に処理するために運用されている。廃棄物中には微量ではあるものの種々の有害物質が含まれており, システムを構成するプロセスの各々において付随的にその形態や存在量・濃度を変化させている。本研究では, まず一般廃棄物処理システム内での廃棄物構成元素の動態を包括的に評価する数学モデルを構築した。次いで, 廃棄物の組成別元素組成ならびに焼却灰中元素組成を蛍光X線分析法および中性子放射化分析法により分析した。構築したモデルを京都市一般廃棄物処理システムに適用し, 焼却灰中の元素濃度実測値に照らしてモデルの妥当性を検証するとともに, 廃棄物中に含まれる元素の処理システム内フローとストックを解析した。