抄録
ごみ焼却炉内でのガス混合の促進が, 完全燃焼を目指した燃焼改善にとっていかに重要であるかを, 実際の既設ごみ焼却炉の改造によって実証できた。 (1) 炉形状の変更および二次空気供給方法の変更を中心とした燃焼改善策を実施した結果, 一酸化炭素およびダイオキシン類の発生を大幅に抑制することができた。さらに, 燃焼の安定化対策として, (2) 自動燃焼制御を導入するとともに, 急冷反応塔を新設することによって電気集じん機通過ガス温度の低減化をはかった。その結果, この2つの改善によりダイオキシン類の発生量を改造前の約10分の1にまで低減することができた。