抄録
アスベスト廃棄物からガラスウールを作製するための基礎的データを得ることを目的に, クリソタイルにボルトランドセメントと廃ガラスを添加し, 溶融物の粘性およびガラス形成能を検討した。クリソタイルーボルトランドセメントへの廃ガラスの添加により液相温度, 結晶化温度および過冷却度は減少し, その添加割合の増加とともに, 液相温度と結晶化温度における粘度は増加した。これらの結果から, クリソタイルーボルトランドセメントへの廃ガラスの添加は, 溶融物の結晶化を抑制し, ガラスウールの紡糸を容易にすることがわかった。