石炭灰をより安全安心な材料として有効活用するために、これまで酸洗浄することによってほう素を除去することを研究開発してきた。本報では酸洗浄脱水の効率化を目指して遠心脱水機を採用した小規模なプラントを設置して4種類の灰で実証試験を行った。この結果、製造された洗浄灰は、ほう素、ふっ素の土壌環境基準の溶出基準値を満足するまで除去され、システムの有効性は確認された。又、ゼロエミッションを目指した本システムは、すすぎ脱水のろ液の循環利用、廃棄スラッジの減量化、ほう素の回収、最終排水の放流、そして各設備の自動化、連動性など多くの面で利点が明らかになるとともに、コストダウンにも寄与する結果となり、実機プラントの設計に役立つ貴重なデータを収集できた。今後は、洗浄灰の特性を活かした有効活用方法を見出し、幅広い分野における新材料の提供販売を目指していく予定である。