廃棄物学会研究発表会講演論文集
第19回廃棄物学会研究発表会
セッションID: C2-8
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C2 熱分解・ガス化
水素添加触媒を用いた改質ガス中の炭化水素類の低減
*井上 研一郎川本 克也
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抄録

廃棄物から水素ガスを始めとする有価物を得ること、発電を行うこと等が可能となる熱分解ガス化-改質プロセスは、廃棄物やバイオマスの新たな処理、資源化技術として注目されている。著者らは改質触媒の適用により摂氏700~800度程度の低温におけるガス化-改質の試みを行っているが、低温で行う場合、改質ガス中の炭化水素類の濃度が高くなるという問題がある。改質炉から排出されたガス中に含まれる炭化水素類のうち、比較的沸点の高い成分は温度の低下によりタールとして凝集し、配管を閉塞させる等の懸念を有する。また、改質ガスをメタノール製造原料等に使用する例もみられるが、メタノール合成触媒を適用する際、ガス中に共存する不飽和炭化水素類がコーキングの要因となることから可能な限り低減することが望まれる。改質ガスの精製方法として湿式洗浄法が用いられている例があるが、ガスの温度をかなり低下させなければならない、設置面積が大きい、排水の処理コストがかかる等の問題がある。また、ガス化-改質プロセスは、焼却プロセスとは異なり還元雰囲気下、無(低)酸素条件において処理されるため、従来から用いられてきた燃焼や触媒による炭化水素類の酸化分解技術を適用することができない。本研究では改質ガス中に高濃度で含まれる水素に着目し、炭化水素類中の高濃度成分であるベンゼンあるいは低級炭化水素類を水素添加触媒を用いて低減する方法について模擬ガスを用いた実験系により検討した。

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© 2008 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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