抄録
不燃ごみ主体の埋立実験において長期に亘って浸出水への重金属の流出特性を検討し、埋立10年後、20年後に埋立実験槽を解体し、実験槽内の重金属の層状別分布状態を検討した。その結果、不燃物主体の埋立地では分解する有機物が少ないため、埋立20年後においても1%弱の減少率であった。また、Cl-の溶出試験結果から、本実験に使用した埋立実験槽において、埋立10年間では溶解性イオン等の洗い出しが不十分であるが、埋立20年間ではほとんどが洗い出されていることが確認できた。さらに、埋立廃棄物中の重金属の層状別分布状況から、埋立廃棄物中の重金属が流出し、下層部へ移動している傾向もなく、重金属類は廃棄物中に固定化された状態にあることが想定された。